緊急事態宣言下での公開について

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劇場公開情報は以下よりご確認ください。
劇場情報:
https://movie.kinocinema.jp/theater/beachbum

ムービー再生

INTRODUCTION

これぞ大人の本気のお遊び!
天才ハーモニー・コリンのもとに集結した
ハリウッドきってのオールスター・キャスト&スタッフたち!

世界のポップ・カルチャーシーンに唯一無二の閃光を放ち続ける天才ハーモニ・コリン。ストリートの片隅からひょっこり登場した“恐るべき子供”に世界中がどよめいた『KIDS/キッズ』は19歳、『ガンモ』で“映画の革命児”と驚喜させたのは22歳のときだった。その後も、新作を発表するたびに観客を過激な未知へと誘い、『WAVES/ウェイブス』のトレイ・エドワード・シュルツ監督、『行き止まりの世界に生まれて』のビン・リュー監督、そして『mid90s ミッドナインティーズ』のジョナ・ヒル監督をはじめ、その絶大なる影響を公言するアーティストは後を絶たない。

映画監督としては数年に一本と寡作ながら、絵画や詩、小説、写真などマイペースに創作しつつ、近年はタイラー・ザ・クリエイター、エイサップ・ロッキーら人気ミュージシャンが出演するファッションブランド「グッチ」の一連のCMシリーズの監督や、ビリー・アイリッシュやリアーナ、グッチ・メインのMV・写真のディクレクションを務めるなど、50歳を目前にした今なお、最前線のティーン・カルチャーと併走し続けているハーモニー・コリン。そして、『スプリング・ブレイカーズ』以来待望の7年ぶりの長編映画となる本作でついに、集大成にして新境地ともいうべき最高傑作を完成させた。

アカデミー賞俳優マシュー・マコノヒー演じるムーンドッグと一緒に遊ぶ愉快な仲間たちには、『テッド・バンディ』のザック・エフロンに、ハーモニー・コリンもカメオ出演した『mid90s』で監督デビューを飾ったジョナ・ヒルが友情出演、さらには伝説的ミュージシャンのスヌープ・ドッグ、ジミー・バフェットら豪華スターが名を連ねる。

薫りたつ煙、海と溶け合う太陽、高層ビルに囲まれたレトロなビーチ、照りつけるオレンジの光線、ボートの下ではじける波の音……まるでそこに居合わせたかのようなハイな気分にさせられる神秘的なカメラワークはギャスパー・ノエとのコンビで知られる天才撮影監督ブノワ・デビエ。『WAVES/ウェイブス』『ネオン・デーモン』の美術監督エリオット・エスター、そして今ハリウッドで最も熱い視線を浴びる気鋭の衣装デザイナー ハイディ・ビヴェンスとともに、『スプリング・ブレイカーズ』に続いてハーモニー・コリン組に加わり、世にも楽しい祝祭的な空間を作り上げた。

音楽は、『グレイテスト・ショーマン』などの巨匠ジョン・デブニーのオリジナル・スコアに加え、ヴァン・モリソン、ザ・キュアーなど世界各国から寄せ集められた極上のバラードがスクリーンを陽気に彩る。

STORY

成長しない。反省しない。期待しない。
渚の酔いどれ詩人(ビーチ・バム)ムーンドッグの終わりなき狂騒の日々。

ムーンドッグ(マシュー・マコノヒー)は、かつて天才と讃えられた詩人。しかし今は、謎の大富豪である妻ミニー(アイラ・フィッシャー)の果てしない財力に頼り、アメリカ最南端の“楽園”フロリダ州キーウエスト島で悪友ランジェリー(スヌープ・ドッグ)らとつるみ、どんちゃん騒ぎの毎日を送っている。浜辺でうたた寝し、酒場を飲み歩き、ハウスボートでチルアウトし、時たま思い出したようにタイプライターに詩をうつ…。そんな放蕩生活を自由気ままに漂流していたが、ある事件をきっかけに、ムーンドッグは一文無しのホームレスに陥ってしまうーー。

人生、山あり谷あり。ふと振り返れば、取り返しのつかないこと、もう決して元には戻らない、失われてしまったものばかり。そんな「クロースアップで見れば悲劇」に満ちた世界に、ムーンドッグはルーズな抵抗を試みる。不運には酩酊と爆笑を。不幸には目を伏せたくなるほど下品で、とろけるほどロマンティックなポエムを。

「俺のために世界がある」とうそぶくムーンドッグの、気持ちいいもの、好きなものだけを追い求める超テキトーでポジティブな生き様は、束の間、光を放つ。その光は無類に美しく、思いがけない感動で観客の心を優しくときほぐし、忘れえぬ至福の感情もたらす。映画史上最高にハッピーな、永遠に終わらない夏休み(サマー・ブレイク)が始まる!

CAST

マシュー・マコノヒー元天才詩人(今はホームレス?):ムーン・ドッグ

1969年、アメリカ、テキサス州生まれ。俳優・プロデューサー。スティーヴン・ソダーバーグ監督の『マジック・マイク』(12)、リー・ダニエルズ監督の『ペーパーボーイ 真夏の引力』(12)、マーティン・スコセッシ監督の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)などの演技が高く評価され、『ダラス・バイヤーズクラブ』(13)では、第86回アカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞他、多数の賞を受賞。翌年の『インターステラー』(14)ではクリストファー・ノーラン監督とのタッグが話題を呼んだ。最新作に『ジェントルメン』(21)などがある。

スヌープ・ドッグ親友:ランジェリー(ほぼ本人役)

1971年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。世界で最も知名度の高いラッパー、ヒップホップMC、俳優。以前はSnoop Doggy Doggと名乗っていた。1992年にドクター・ドレーのプロデュースで、ソロデビューシングル「Deep Cover」をリリース。2004年にリリースされたシングル「Drop It Like It's Hot」はBillboard Hot 100で自身初の1位を記録。大ヒットナンバーに「Who am I」「Kush」「Young, Wild & Free」他多数。

アイラ・フィッシャー妻:ミニー

1976年、オーストラリア生まれ。女優・絵本作家。トム・フォード監督の『ノクターナル・アニマルズ』(16)では、エイミー・アダムズ、ジェイク・ギレンホールらと共演。その他代表作は『ランゴ』(11)『バチェロレッテ -あの子が結婚するなんて!』(12)『華麗なるギャツビー』(13)『グランド・イリュージョン』(13)、『TAG タグ』(18)など。

ジミー・バフェット友人:本人として

1946年、アメリカ、ミシシッピ州生まれ。歌手、ソングライター、作家。ポップカルチャーの伝説として知られ、『Margaritaville(原題)』、『Come Monday(原題)』、『Cheeseburger In Paradise(原題)』『Parrotheads(原題)』など数々の名曲を残してきた。カントリー音楽協会賞を幾度も受賞し、国内のソングライターにとって最も名誉あるナッシュビルソングライター・ホール・オブ・フェイムにも名が刻まれた。

ザック・エフロン旅仲間:神父の息子・フリッカー

1987年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。俳優。ミュージカル映画『ヘア・スプレー』(07)、『ハイ・スクール・ミュージカル』(08)で若手俳優としての人気を確立。『グレイテスト・ショーマン』(17)でヒュー・ジャックマンやミシェル・ウィリアムズと共演し一躍脚光を浴びる。2019年公開の犯罪スリラー『テッド・バンディ』では、悪名高い連続殺人犯テッド・バンディを演じ、サンダンス映画祭などで演技が高く評価された。

マーティン・ローレンス旅仲間:イルカ船の船長

1965年、ドイツ、フランクフルト生まれ。コメディアン、俳優。スパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)でスクリーンデビュー。ウィル・スミスとともに警官コンビを演じた大ヒットシリーズ『バッドボーイズ』(95、03)で人気が高まり、17年ぶり第3弾『バッドボーイズ フォー・ライフ』(20)でもコンビを継続中。

ジョナ・ヒル出版社社長

1983年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。俳優、監督。ジャド・アパトー監督作『40歳の童貞男』(05)などコメディ映画への出演の後に演技の幅を広げ、ブラッド・ピット主演の『マネーボール』(11)、レオナルド・ディカプリオ主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)でアカデミー助演男優賞にノミネートされる。『mid90s ミッドナインティーズ』(20)では監督デビューを果たし、本作のハーモニー・コリン監督を友情出演させている。

STAFF

ハーモニー・コリン監督・脚本

ハーモニー・コリンとは「芸術家」なのか、それとも「扇動者」なのか。いずれにせよ、『KIDS/キッズ』(95)、『ガンモ』(97)、『スプリング・ブレイカーズ』(12)、そして本作『ビーチ・バム』(19)や、そのほか近年の写真や絵画、MV・CMなどでの仕事を通して、これまでアメリカのアートハウス界に数々のユニークかつ辛辣な作品を送り込んできた。ダーク・コメディを貫くコリンの作品には、崩壊した家族や精神的に病む主人公、貧困・運命・環境に溺れてある行動にはまっていく人物が登場し、今まで多くの批評家や観客を驚かせ、時には拒絶された。
十代の頃から脚本を書きはじめ、ハリケーンの被害を受けた街の精神不安定な住人を描いた悪夢的ドラマ『ガンモ』で監督デビューを果たす前に、ラリー・クラーク監督作『KIDS/キッズ』の脚本を手掛け、その両作品で、「アンファン・テリブル(恐るべき子供)」と称された。
思わず目を逸らしたくなるような作品が多いハーモニー・コリンを熱狂的に支持する批評家は、コリンの作品は単に不快な映像を繋げ合わせたものではなく、最も極端であると同時に最もありふれた「究極のアメリカの風景」が描かれているとし、ジョン・カサヴェテス、ロバート・アルトマン、テレンス・マリックらと並べで語られるべき作家だと主張する。
洗練された夢の世界を描いた『ミスター・ロンリー』(07)、超ローファイな作品『Trash Humpers(原題)』(09)、ハリウッドのジャンル映画史に一石を投じた『スプリング・ブレイカーズ』(12)など、作品ごとに全く違ったスタイルを持つ。一部からは酷く嫌われる一方で、熱狂的なファンも持つハーモニー・コリンは、20世紀以降、インディペンデント映画界で最も怖いもの知らずの映画監督だ。
(本国公式プレス資料より、監督評抜粋)

ブノワ・デビエ撮影監督

ベルギーの映画学校を卒業後、TV界でキャリアを積んだ後、初めて担当した長編映画、ギャスパー・ノエ監督『アレックス』(02)で注目を集める。その後、ダリオ・アルジェント監督『デス・サイト』(04)、ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督作『変態村』(04)、『変態島』(08)、ルシール・アザリロヴィック監督作『エコール』(04)など次々と手掛け、ジョージ・ラトリフ監督『ジョシュア 悪を呼ぶ少年』(07)でサンダンス映画祭撮影賞を受賞。ギャスパー・ノエ監督とはその後も『エンター・ザ・ボイド』(10)、『LOVE 3D』(15)、『CLIMAXクライマックス』(18)、『エクス・ルテナ』(19)と『アレックス』以降の全作でタッグを組んでいる。その他の担当作品は、伝記映画『ランナウェイズ』(10)、メル・ギブソン監督・主演作『キック・オーバー』(12)、ライアン・ゴズリングの初監督作『ロスト・リバー』(14)、ジャック・オーディアール監督『ゴールデン・リバー』(18)などがある。ハーモニー・コリン監督とは、前作『スプリング・ブレイカーズ』(12)に続いて二度目のタッグとなる。
★公式サイト:http://benoitdebie.com/

エリオット・ホステッター美術

美術監督・アートディレクターとして、インディペンデント作品から大作まで幅広く手掛け、これまで手掛けた映画は、コーエン兄弟『トゥルー・グリッド』(10)、ニムロッド・アーントル監督『プレデターズ』(10)、テレンス・マリック監督『ツリー・オブ・ライフ』(11)、ミランダ・ジュライ監督『ザ・フューチャー』(11)、ケリー・ライカート監督『ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画』(14)、ニコラス・ウィンディング・レフン監督『ネオン・デーモン』(16)、トレイ・エドワード・シュルツ監督『WAVES/ウェイブス』(19)など。
またクリスティーナ・アギレラ「Your Body」、カニエ・ウエストの「Otis」のMVもデザインしている。ハーモニー・コリン監督とは『スプリング・ブレイカーズ』(12)に続いて二度目のタッグとなる。

ハイディ・ビヴェンス 衣装

現在、ハリウッドのみならずファッション業界でもっとも注目を集めるコスチューム・デザイナーのひとり。これまでに手掛けてきた作品は、ルカ・グァアダニーノ監督の短編「Walking Stories(原題)」(03)、ミシェル・ゴンドリー監督『エターナル・サンシャイン』(04)、デヴィッド・リンチ監督『インランド・エンパイア』(06)、ジョナ・ヒル監督『mid90s ミッドナインティーズ』(20)など。ハーモニー・コリンとは『スプリング・ブレイカーズ』(12)に続いて二度目のタッグとなる。ドレイクが製作総指揮を務めたHBOドラマ『Euphoria/ユーフォリア』(19-)の衣装でエミー賞衣装デザイン賞にノミネートされた。
★インスタグラム:https://www.instagram.com/heidibivens/

COMMENT

浅田 彰批評家

自己規制(自粛)と相互監視を逃れ、しかも「自由という名の野蛮」を振りかざして「死に至る悦楽」へと暴走することがない。軽やかに快楽の波に乗りながら、他者とともにあくまでも明るく生き続ける。
これはそんな真の自由人の姿を描く美しい映画――パンデミックと自粛で窒息しそうな私たちの社会に吹き込む一陣の涼風だ。

中原昌也ミュージシャン / 作家

いままで映画に出てきてヘラヘラ調子こいてるヤツなんて、皆んな死んじまえばいい、と思っていたが…こいつだけは違う!
マーベルやDCが束になっても勝てない、アメリカン・ニューシネマ以来の本物のヒーローの登場に興奮の連続‼︎

小山田壮平ミュージシャン

何か大きなものに翻弄される時代は終わり、これから私たちは、一人一人の意志によって世界を、時代を作っていく。
そんな楽しい風の時代に、ムーンドッグの物語は力強く光り輝く。

金原ひとみ作家

圧倒的野蛮と圧倒的繊細の同居。ムーンドッグの生き様は、物を持ちすぎた現代人に解放と無力を教えるだろう。

石野卓球電気グルーヴ

主人公のムーンドッグはもちろん、ほとんどの登場人物がアメリカのバカ田大学を出ていると思う。最高でした。

菊地成孔音楽家 / 映画批評

人類は、「何でこの数十年間、我々は暗く窮屈で、苛立ちと恐れに満ちた世界にいるのだろう?ひょっとしてそれは、幻だったのではないか?」とまで思うだろう。60年代の東宝映画のようだ。チーチ&チョンのビーチサイド、と見立てるよりも遥かに、主人公は「大麻を吸った無責任男」であり、「キー・ウエストの若大将(の、とんでもない老後)」である。音楽も凄い。大麻吸引時の視覚である事を最後までやめないカメラと共に、「東京物語」みたいな穏やかな奴がずっと鳴っている。凄まじいハッピーは、感動や震撼や癒しなど、生きるのが辛い人々の大好物も余裕で吹き飛ばしてしまう。中年になったハーモニー・コリンがこれを作ったという事実が何より素晴らしい。

メイリンアーティスト/ZOMBIE-CHANG

正しく生きるって何だろう。じゃあ楽しく生きるって何だろう。ムーンドッグは幸せなのか私にはさっぱり分からないけど、彼の詩に1回だけ感動する事ができたのは彼が生きてるからだと思う。

松㟢翔平俳優

史上これほどまでに自由な男の映画があったであろうか。
とまで言うとかなり大げさですが。近年まれにみる自由爽快な映画です。
近年まれというのも、みりん適量などと同じくらい曖昧な言いようなので、もっとくだけて言えば、最近観たなかでぶっちぎり、自由で爽快で気持ちが良くて勇気の出る、素敵な愛の映画でした。
観ないと後悔しますよ。
とそれも大げさですが、観ないとちょっともったいないかもしれません。
休日の昼過ぎの回を観て、劇場から出たら三時四時。
帰り道、陽の伸びた中を缶ビール片手に散歩したりしちゃったら最高かなって思います。

酒村ゆっけ、作家/酒テロクリエイター

酔っているのか、自分?と終始思わされるくらい酔っ払った世界観とハイに人生を楽しんでいる主人公。自由奔放で破天荒な振る舞いであるが、誰よりも繊細で傷つきやすい心の持ち主なのかもしれない。酒やドラッグによって堕ちていく人生が描かれる作品は多かったが、これらをポジティブに自己肯定感を爆上げするために活用する作品は斬新だ。ある種、明るく賑やかな太宰治なのかもしれない(飲み過ぎ注意)。

荘子itDosMonosトラックメイカー/ラッパー

D.H.ロレンスの詩『ピアノ』と、ムーンドッグ自身が詠む『美しい詩』は、同じ感動惹起構造を持つ。
人間は、「そこにあるもの」を媒介としつつ、「そこにないもの」に感動する。
ムーンドッグに憧れる者と、ドナルド・トランプに憧れる者も、同じ心理構造を持つ。
不道徳とヘドニズムの先に無垢な魂を幻視するのだ。
『ガンモ』で少年達が撃った「猫」と、『スプリング・ブレイカーズ』で少女達が誇示した「銃」を、パラフレーズし抱きかかえ、浜辺に打ち上げられた『ミスター・ロンリー』の亡骸を振り切り海に浮かぶムーンドッグは、過去の構造をすり抜け、「そこにあるもの」と享楽を徹底的に追求することで、現代の『素晴らしき放浪者』となる。