ギャング・カルテット 世紀の怪盗アンサンブル

ギャング・カルテット 世紀の怪盗アンサンブル

9.2(Fri.) キノシネマ他、全国順次公開

INTRODUCTION

北欧発!痛快な“はみだし者”窃盗団が伝説の至宝に挑む、痛快クライムコメディ! 

幻想的な映像美のスリラー『ぼくのエリ 200歳の少女』でセンセーションを巻き起こし、豪華キャスト結集の『裏切りのサーカス』ではヴェネツィア国際映画祭はじめ、海外の映画賞から圧倒的な称賛を浴びた名匠トーマス・アルフレッドソン。待望の最新作は、とぼけた愉快な窃盗集団の大胆不敵な一大プロジェクトを痛快に描いた、初挑戦のコメディ作品となった。
原案は80年代よりスウェーデンで子供から大人までを魅了してきた伝説の人気コメディ映画シリーズ“イェンソン一味”。日本で例えるならばルパン三世のように、スウェーデンの子どもたちが夢中になって視聴し、それを見ながら育った国民的人気を博す怪盗団シリーズである。
その最新版をスリラーやサスペンスを得意とするアルフレッドソン監督が手掛けるのは意外だが、実はスウェーデン出身の監督もまた子供時代から“イェンソン一味”を観て育った大ファン。監督の代名詞ともいえる映像美と緩急のある演出で、シックで洒落た、大人も堪能できるクライムコメディに仕上げている。
共同脚本及び、主人公シッカンにはスウェーデンで数多くのTV番組に出演する国民的コメディ俳優ヘンリック・ドーシン。スウェーデンの映画賞であるゴールデン・ビートル賞助演男優賞にノミネートされるなど高い演技力が評価されている。入念なリサーチと驚愕のアナログテクで、狙った獲物は逃がさないとぼけた中年男を軽妙洒脱に演じ、観客を爆笑と温かい涙に引きずり込む。

STORY

4人の奏でる狂騒曲が、不可能を可能にする⁉

チャールズ・イングヴァル・イェンソン、通称シッカンは、スウェーデン髄一の凄腕金庫破り。だが、とある現場で失敗し刑務所に服役する。出所後に次の獲物の準備を企んでいたシッカンだが、仲間たちは犯罪から足を洗うと言い出し、次のお宝「フィンランドの王冠」はシッカン1人で遂行することになってしまう。一方、その王冠にまつわる伝説の石の行方を追って、フィンランドの運命を左右する野望が動き始めていた……。舞台はスウェーデン伝統の夏至祭りの前日、白夜のストックホルム。フィンランド大統領、王座を夢見る男、暗躍する大企業の重役、謎の大富豪。様々な思惑が絡む中、シッカンは去って行った仲間たちを連れ戻し、目的のお宝を入手する事はできるのだろうか――!?

CAST

ヘンリック・ドーシンチャールズ・イングヴァル・イェンソン“通称シッカン”役/脚本

1977年11月20日、スウェーデン生まれ。スウェーデンの人気コメディ俳優でミュージカルや企画・脚本でも才能を発揮している。『Vinterviken(原題)』(95)エキストラ出演後、風刺TV番組「Detta har hänt(原題)」(98)でキャリアをスタート。SVTの音楽番組「Säpop(原題)」(04)、TV4の政治風刺コメディ番組「Parlamentet(原題)」(99~)他に出演。お笑い集団「Grotesco」を主宰し、舞台でも活躍。2014年よりストックホルムにあるスカラ劇場を共同運営している。ミュージカル「Sagan om Karl-Bertil Jönssons julafton(原題)」(18)にて共同主演。映画ではベアタ・ゴルデラー監督作の『Flocken(原題)』(15)、『Flykten till framtiden(原題)』(16)ではスウェーデンのアカデミー賞と言われるゴールデン・ビートル賞で助演男優賞にノミネート。2022年にはパルムドール受賞監督リューベン・オストルンドのウディ・ハレルソン主演作『Triangle of Sadness(原題)』に出演。同作は第75回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた。『Året jag slutade prestera och började onanera(原題)』が撮影中。

ヘダ・スターンステットドリス

1987年12月3日、スウェーデン生まれ。スウェーデンのTVドラマやTV映画、ショートフィルムでキャリアを積む。スウェーデンの著名なジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの伝記を描いた『ストックホルムでワルツを』(13)、『ヤング・ソフィー・ベル』(14)、『Eternal Summer(原題)』(15)などに出演していたが、歴史ドラマシリーズ「The Restaurant(原題)」(15)のニーナ役で注目を集め、スウェーデンのTV賞クリスタルアワードで最優秀女優賞を受賞。以降、多くの人気ドラマシリーズに出演。モーテン・クリングベリ監督の『My Father Marianne(原題)』(20)、ペッテル・ホルムセン監督のコメディ『Fjols til fjells(原題)』(20)で主演を果たし、ノルウェーのHBOシリーズ「Beforeigners(原題)」シーズン2(21)で共同主演を務めている。

ダーヴィド・スンディンハリィ

1976年5月23日、スウェーデン生まれ。36歳まで広告業界にいた。キャリアのスタートはスウェーデンのコメディグループ“Killinggängets”が運営していたカルト的人気を誇るウェブサイトの中のコンテンツ「Spermaharen」(02)出演で、これを監督したのが1999年にグループに参加した若きトーマス・アルフレッドソンであった。その後「Welcome to Sweden(原題)」 (14)で脚本、「Inte OK!(原題)」(14)メインキャスト、「Mammor!(原題)」(16) で監督・脚本・出演、またトークショー「Berg & Meltzer på Oscars(原題)」 (15)などTV主体で人気を博す。「Bäst i test(原題)」(17)でクリスタルアワード最優秀男優賞にノミネート。同賞では2019年から最優秀男性司会者にノミネートされ続け、2021年に受賞。歴史あるユーロビジョン・ソング・コンテスト「メロディーフェスティバーレン」では2020年に司会者を務めたが、2021年も司会を続投するという噂だけでニュースになった。2020年に作家デビュー、「The book that did not want to be read(原題)」は同年にスウェーデン国内で最も売れた児童書となり、25か国以上で出版。本作が長編映画での俳優デビュー作となる。

アンダース・ヨハンソンラグナル・ヴァンヘデン

1974年5月4日、スウェーデン生まれ。スウェーデン国内では司会者、コメディアン、ミュージシャン、俳優、脚本家と八面六臂の活躍を見せるカリスマ的人気タレント。ユニークなエステルイェートランド地方の方言が特徴で、主にTV番組をベースに “アンカン”の通称で親しまれている。スウェーデンのカルチャーを紹介するコメディ番組「Anders och Måns(原題)」(03)の監督・脚本、出演で人気を博し、子供向け音楽番組「Gabba Gabba(原題)」(06~11)、SVTの長寿人気クイズ番組「På Spåret(原題)」(87~)や「Parlamentet(原題)」(99~)、メキシコのスウェーデン大使館のドタバタを描く「The Ambassador(原題)」(20)、「Nästan inget(原題)」(21)など多くのTV番組に出演。SVTのドキュメンタリー番組「Djursjukhuset(原題)」では2008年~2016年までホストを務めた。舞台ではコメディミュージカル「Sällskapsresan(原題)」(15)で主演を務めている。

STAFF

トーマス・アルフレッドソン監督/脚本

1965年4月1日、スウェーデン生まれ。父は映画監督のハンズ・アルフレッドソンで、トーマスも父の監督作品『Falsk som vatten(原題)』(85)で小道具係、父親が俳優として出演した「Familjen Schedblad(原題)」(88~89)では監督を務めている。コメディグループ“Killinggängets”で制作した「Four Shades of Brown(原題)」(04)はゴールデン・ビートル賞の最優秀監督賞など4部門受賞。『Bert: Den siste oskulden(原題)』(95)、『Kontorstid(原題)』(03)などを経て、『ぼくのエリ 200歳の少女』(08)がオースティン映画批評家協会賞・外国語映画賞受賞、サターン賞のインターナショナル映画賞受賞他でノミネートされ大きな注目を集める。ゲイリー・オールドマン他豪華キャストが結集した『裏切りのサーカス』(11)は、英国の週末興行収入で3週連続1位の快挙、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞にノミネート。『スノーマン 雪闇の殺人鬼』(17)を経て、レイチェル・ワイズ主演『Seance on a Wet Afternoon(原題)』が待機中、またデイヴ・ハッチンソンの近未来小説「ヨーロッパ・イン・オータム」を元にしたTVシリーズ「Europa」の制作が発表されている。